保険証券とは?必要な時や記載内容、再発行等について解説

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生命保険や損害保険に加入すると、保険会社から保険証券が送られてきます。保険証券にはさまざまな情報が記載されていますが、保険に加入したばかりだと、何に使う書類なのかわからない人もいるのではないでしょうか。

ここでは、保険証券が必要となる場面や再発行の手順、管理のポイント等について解説します。

保険証券は保険の内容が記載された証書

保険証券は、契約した保険の内容が記載された証書です。保険契約を証明するため、保険会社から発行されます。生命保険であれば、契約者や被保険者、受取人、契約期間、保障内容等の情報が記載され、損害保険であれば、契約者や被保険者、保険の対象となる物、契約期間、補償内容等の情報が記載されます。

保険証券は一般的に、契約の成立から1週間から2週間程度で、契約の際に登録した住所に届きます。最近では、保険証券が電子化されている場合や、契約者が紙で発行するかどうかを選べる場合もあります。電子化されている場合は、保険会社の契約者専用ページにIDとパスワードでログインすることで、契約内容を確認することが可能です。

保険証券の記載内容

保険証券の記載内容は、保険会社によって多少の違いがありますが、生命保険か損害保険かによって、おおよその記載内容は決まっています。それぞれの記載内容は以下のとおりです。

■生命保険の保険証券の記載内容

記載項目記載内容
証券番号

契約者・契約内容ごとに割りあてられる番号。契約内容についての問い合わせや、各種手続きを行う際に必要となる

契約者

保険会社と契約を結んだ人の氏名、住所等

被保険者

生命保険の保障対象となる人。被保険者の状態が保険金受取条件に該当し、受取人が請求することで、保険会社から保険金が支払われる

受取人

保険金を受取る人。契約者、被保険者、受取人は同一人物とは限らない

契約日

保険を契約した日付。保険料の払込方法によっては、責任開始日(保障開始日)とは異なる場合がある

責任開始日

保険の保障が始まる日付を指す

保険期間
(保障期間)

保険契約の保障が継続する期間を指す。責任開始日を起点として、10年間、60歳まで、終身のように表記される

保障内容

保険商品の正式名称や種類、保険金の支払い条件、保険金の額、保険料の額、保険料の払込期間等。特約がある場合は、その内容も記載される

解約返戻金の推移

解約返戻金がある保険の場合は、解約時期と解約返戻金の一覧。保険を解約した際に、それまでに払込んだ保険料総額に応じて受取れる金額を解約返戻金と呼ぶ

■損害保険の保険証券の記載内容

記載項目記載内容
証券番号

契約者・契約内容ごとに割りあてられる番号。契約内容についての問い合わせや、各種手続きを行う際に必要となる

契約者

保険会社と契約を結んだ人の氏名、住所等

契約対象に関する情報

補償の対象。自動車保険なら対象となる車、火災保険なら対象となる建物や家財の情報が該当する

等級・補償の対象となる運転者の範囲

契約する損害保険が自動車保険の場合に記載される

被保険者(記名被保険者)

保険の補償を受ける人、または保険の対象となる人

契約日

保険を契約した日付を指す。責任開始日(補償開始日)とは異なる場合がある

責任開始日

保険の補償が始まる日付を指す

保険期間

保険契約の補償が継続する期間を指す

補償内容

保険商品の正式名称や種類、保険金の支払い条件、保険金の額、保険料の額、払込期日等

割引・割増等

保険料の割引き・割増しに関する情報

保険証券が必要となる場面

保険証券は日常的に必要となるものではありませんが、保険金を受取る際等に必要となります。ここでは、保険証券が必要となる、2つの場面について解説します。

保険金を請求する時

保険証券が必要となるのは、まずは保険金を請求する時です。生命保険の場合は、主に死亡保険金や満期保険金を受取る際に必要になります。証券番号がわかれば手続きできるケースもありますが、保険証券があったほうが手続きはスムーズです。特に、死亡保険金は遺族が受取人として、保険金請求をしなくてはならないので、遺族が保険の内容を把握しておく必要があります。保険証券の保管場所や契約内容は、受取人と共有しておくようにしましょう。

損害保険の場合は、事故や災害等にあって、保険金を請求する際に必要になります。事故や災害にあった旨を保険会社に連絡するのは、保険証券がなくてもできますが、保険証券にはコールセンターの連絡先等も書かれている場合が多いので、手元に用意できると便利です。

契約を変更・解約する時

保険の内容や受取人等の契約の変更の他、保険を解約する際にも、保険証券が必要です。契約の変更の場合は、手続きが完了すると新しい保険証券が発行されます。契約変更した時には古い保険証券の返却を求められたり、解約した時も保険証券の返却を求められたりする場合があります。

保険証券を再発行する手順

保険証券を万が一なくしてしまっても、契約そのものが無効になるわけではありません。ただし、紛失したままだと、保険金の請求等が必要になった時にスムーズに請求できない可能性があります。保険証券をなくしてしまったら、必ず再発行の手続きをしましょう。保険会社に依頼すれば、一般的に無料で再発行が可能です。ここでは、再発行の手続きについて解説します。

保険会社へ連絡する

保険証券を紛失していることに気づいたら、まずは契約者本人から保険会社への連絡が必要です。連絡先がわからない場合は、保険証券以外の書類やインターネット等で連絡先を探します。保険代理店を通じて加入している場合には、保険代理店に連絡すれば、適切な連絡先を教えてくれたり、保険会社への連絡を代行してくれたりします。

また、インターネットで契約者専用ページを利用できる場合は、専用ページを利用し、保険会社へ連絡しましょう。なお、契約者専用ページのIDとパスワードがわからなくなってしまった場合も保険会社への問い合わせが必要です。

再発行に必要な書類を準備・返送する

保険会社に連絡したら、再発行に必要な書類を準備して返送します。一般的に保険会社への連絡から1週間ほどで再発行手続きの書類が手元に届くので、必要事項を記入し、本人確認書類等の必要書類を添付して返送します。書類が届くまでの日数は保険会社によって異なるため、なかなか届かない場合は問い合わせてみましょう。

また、保険会社によっては、書類一式をWebサイトからダウンロードできたり、Webサイト上のフォームから手続きできたりするところもあります。書類に不備があると再提出が必要となり、手続きにかかる時間が長くなってしまうため、記載や押印に漏れがないか、しっかりチェックしましょう。運転免許証やパスポート等の本人確認書類のコピーも添付します。契約内容によっては、その他にも書類が必要になる場合もあるので、保険会社の指示に従って準備します。

保険証券が届く

保険会社への書類の返送が完了したら、保険証券が届くのを待ちます。書類に不備がなければ、一般的に1週間程度で再発行された保険証券が届きます。保険証券が届いたら、再度紛失しないよう、確実に管理しましょう。

保険証券を管理するポイント

保険証券が必要になった時に、なかなか見つからないということのないように、保険証券は適切に管理しておくことが大切です。ここでは、保険証券を管理するポイントを3つ紹介します。

受取人に内容・保管場所を伝えておく

保険証券を手にしたら、まずはその保険の内容や、保険証券の保管場所を受取人に伝えるようにしましょう。死亡保険金のように、被保険者と受取人が異なる場合、保険金を請求するのは受取人です。受取人が保険契約の存在を知らなかったり、保険に入っていることは知っていても詳細を知らなかったりすると、スムーズに保険金の請求ができません。被保険者と受取人が異なる場合は、必ず保険契約の内容と保険証券の保管場所について、受取人に共有しておくことが大切です。

保管場所を決める

保管場所を決めておくことも、保険証券の管理のポイントです。複数の保険に入っている場合でも、保険証券の保管場所は1か所のみと決め、すべて同じ場所で保管するとよいでしょう。普段の生活で保険証券を使う場面はほとんどないので、保管場所が分散していると、どこにどの保険証券を保管したか忘れてしまい、必要な際に見つけられなくなる可能性があります。複数の保険証券を1か所で保管しておけば、いざという時にスムーズに取り出せます。

ただし、自動車保険の保険証券の場合は、車検証等といっしょに車のダッシュボードに保管するのが一般的です。自動車保険以外の保険証券についてはまとめて1か所で保管するようにしましょう。

ID・パスワードは厳重に管理する

保険証券を管理するポイントとして、ID・パスワードを厳重に管理することも挙げられます。電子化された保険証券の場合、保険会社から通知されるIDとパスワードを使って契約者ページにログインすることで、契約内容を確認できます。IDとパスワードを他人に知られてしまうと、不正アクセス被害にあう可能性もあるため、IDとパスワードは他人に知られないよう、厳重な管理が必要です。

容易に推測されるパスワードや短すぎるパスワードを使ったり、他のWebサイトと同じパスワードを使いまわしたりするのも避けましょう。もし、IDとパスワードを忘れてしまった場合には、保険会社に連絡して再発行等の手続きをとりましょう。また、保険会社を装ったフィッシングメールにも注意が必要です。

保険証券をしっかり適切に管理しよう

保険証券は、保険契約の内容を証明するために、保険会社から契約者に発行される証書です。普段は必要ありませんが、保険金の受取りや契約の変更・解約の際に必要となるため、なくさないようにしっかり保管しましょう。保管場所は1か所に決め、保険金の受取人とも場所を共有した上で、大切に保管しておくことが重要です。

「ほけんの窓口」では、保険プランの相談だけではなく、保険証券の見方のご案内や、内容の確認の他、保険証券の変更、紛失時の再発行等のアフターサービスまで対応しています。保険証券について疑問点がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修者プロフィール

原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。

原 絢子さん
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