貯蓄型保険を一括払いするメリット・デメリットは?
一時払いとの違い

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「保険料は毎月払込むのが当たり前」と思っている人はいませんか?実は、貯蓄型保険を含む生命保険には、月払い以外にもさまざまな保険料の払込方法が設けられています。自分に適した払込方法を選ぶことで、リスクへの備えや資産運用等をより無理なく設計しやすくなるでしょう。本記事では保険料の払込方法の基礎知識と、今回はそのなかでも一括払いを選択できる「貯蓄型保険」について解説します。

※本コラムでは、保険料を1度にまとめて払込むことを「一括払い」と表現しております。

保険料の一括払いとは?払込方法の主な種類

保険料の払込方法は、回数によって大きく4つに分けられます。それぞれの特徴と違いを紹介します。

保険料の払込方法の種類

保険料の払込方法は、「月払い」「半年払い」「年払い」の他、契約時にまとめて保険料を払込む「一括払い」の計4種類があります。一般的に払込回数の少ないほうが、1回分の保険料が大きくなるものの、総額の保険料が割安になる傾向があります。また、保険会社や保険商品によって用意されている払込方法は異なります。

<保険料の払込方法の種類>

種類概要
月払い

保険料を毎月払込む形式

半年払い

保険料を半年に1回払込む形式

年払い

保険料を年に1回払込む形式

一括払い
(全期前納払い・一時払い)

(全期前納払い)
契約時に全保険期間の保険料を一括で預ける方式
(一時払い)
契約時に全保険期間の保険料を一度に払込む方式

保険料の一括払いの種類

保険料を一括で払込む方法としては「全期前納払い」と「一時払い」に分けられると覚えておきましょう。全期前納払いは、全保険期間の保険料を全額保険会社に預ける形式の払込方法です。保険会社は預かった保険料を運用しつつ、月払いや半年払い、年払いにおける本来の払込期日の度に保険料を充当します。なお、全期前納払いを一括払いと呼ぶ人も少なくないため、それぞれの特徴を理解することが大切です。

一時払いは契約時に全保険期間分の保険料をまとめて払込む方法です。まとめて払込む保険料は全期前納払いのように預けるのではなく、保険会社に保険料をすべて払込むことになります。これが全期前納払いとの大きな違いです。

保険料の一括払いの種類

貯蓄型保険を一括で払込むメリット・デメリット

一括払いのなかで全期前納払いと一時払いはメリット・デメリットが異なるので、それぞれの特徴を理解した上で検討するのが望ましいでしょう。その代表的なポイントを解説します。

貯蓄型保険を全期前納払い(一括払い)で払込むメリット

・保険料払込期間は毎年の生命保険料控除の対象になる。

全期前納払いの大きなメリットのひとつが「保険料払込期間中は毎年の保険料充当額が生命保険料控除の対象になる」ことです。払込んだ保険料の一定額がその年の所得から控除できるため、所得税と住民税を減額できるのです。たとえ一括で保険会社に払込んだとしても、保険会社に預けたお金から毎年払込む保険料が都度、充当されるので毎年保険料を払込んでいるという扱いになるのです。将来のリスクに備えつつ現在の税金の負担を軽減できる「生命保険料控除」は、全期前納払いを活用する大きな理由の1つといえるでしょう。

・保険期間中に被保険者の死亡や保険契約の解約があった場合、保険料の未経過期間分が戻ってくる

保険期間中に被保険者が死亡、もしくは諸事情で契約者が保険契約を途中解約したとしても、まだ保険料に充当されていない「未経過期間分の保険料」が戻ってくることも大きなメリットです。被保険者が死亡した際は保険金とは別で未経過期間分の保険料も戻ってきます。

貯蓄型保険を全期前納払い(一括払い)で払込むメリット

貯蓄型保険を全期前納払い(一括払い)で払込むデメリット

・一時払いより保険料が高くなる場合が多い

全期前納払いは、月払いや年払いと比べると総額の保険料が安くなることが多いです。ただし、一時払いと比べると割高になるケースがあります。そのため、単純に保険料のみを比較するのであれば一時払いのほうが安くなることが多いです。

貯蓄型保険を一時払いで払込むメリット

・全期前納払いよりも保険料が割安になる場合が多い

全保険期間分の保険料を1度に払込む一時払いのほうが、全期前納払いよりも総額の保険料が安くなることが多いです。月払いや年払い・全期前納払いは、長い間保険料を払込みます。一方一時払いは1度にまとめて保険料を払込むことで、保険会社はその保険料を長期間にわたって運用することができます。そのため月払いや年払い・全期前納払いと比べ払込総額の保険料を少なく抑えることができるかもしれません。

・全期前納払いよりも解約返戻率が高くなる場合が多い

全期間の保険料を1度で払込むため、保険期間中に解約したとしても「充当していない保険料」は基本的には存在しません。そのため、仮に全期前納払いと同じ金額を払込み、同じタイミングで解約したとしても解約返戻率はより高くなる可能性が高いです。解約返戻率をより重視する人であれば、魅力的な払込方法といえるでしょう。

貯蓄型保険を一時払いで払込むデメリット

・生命保険料控除の対象となるのは保険料を払込んだ年のみ

一時払いの場合、生命保険料控除の対象になるのは「払込んだ年」のみとなります。全期前納払いと違い、その後は生命保険料の控除を受けられません。また、年間の控除対象となる保険料には上限があるため、長期的な所得税や住民税の軽減といった視点ではデメリットと考えられます。

・保険期間中に被保険者が死亡した場合、保険料が戻ってこない

一時払い契約後の保険期間中に被保険者が死亡した場合、保険会社は死亡保険金を支払いますが、全期前納払いと違って未経過期間分の保険料は返ってはきません。全期前納払いのメリット・デメリットと比べて納得できる払込方法を選ぶことが大切です。

一括払いができる貯蓄型保険の種類

一括払いできる代表的な貯蓄型保険の種類を3つ紹介します。

終身保険

終身保険は、加入すれば原則、被保険者が生存している限り保障が続く貯蓄性のある生命保険です。そのなかで一時払い専用の「一時払い終身保険」という保険商品を複数の保険会社が取り扱っています。商品によっては保障が手厚いものや、貯蓄性が高いもの等違いがあります。

個人年金保険

個人年金保険は、基本的にあらかじめ定めた年齢まで保険料を払込み、受取り開始時期になると年金もしくは一括で受取れる保険のことです。保険料の一部が積立に充てられて運用される仕組みになっており、運用結果に応じた金額を受取れるのが魅力で、主に老後資金の確保等で利用する人が多いです。また、個人年金には定額・変額、円建て・外貨建て等さまざまなタイプがありますが、一括払いの払込方法が設けられていることもあります。

学資保険

学資保険は、保険料を一定額支払うことで子どもの進学・成長といったライフステージに合わせて保険金を受取れる生命保険です。多額な教育資金をまかなうためにコツコツと貯蓄するイメージが強いかもしれませんが、一括払いすることで総額の保険料を抑える他、返戻率も高まるため、他の貯蓄型保険と同様、払込方法のひとつとして用意されているケースが多いです。

貯蓄型保険とは?掛け捨て型保険との違いとメリット・デメリット

貯蓄型保険の一括払いは慎重に選択しましょう

貯蓄型保険の一括払いの「全期前納払い」、「一時払い」には異なるメリットとデメリットがあります。月払いや年払い等も含め、自身の現在の収入や貯蓄の状況を考慮することが、合理的な払込方法を選ぶためには欠かせません。また、貯蓄型保険の種類によってはインフレリスク、為替リスクの大きさ等も異なります。資産形成はもちろん、ライフプラン等の知見やノウハウも必要になります。自身の目的に適した保障内容、保険金額や必要な生活資金等が分からない方は、ライフパートナー等の専門家に保険相談してから、払込方法の選択を決めることをおすすめします。「ほけんの窓口」では、保険選びのご相談(新規加入・見直し)とお見積りが、何度でも無料でご利用いただけます。納得の保険が見つかるようサポートしますので、お気軽にお問い合わせください。

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