学資保険はいつから何歳まで入れる?適した加入タイミングを解説
子どもの教育資金を準備するために学資保険への加入を検討する際、いつ加入すればよいのか迷う人もいるかもしれません。学資保険は、加入年齢に制限があり、加入タイミングによって月々の保険料も異なります。
ここでは、学資保険に加入するタイミングによる違いやおすすめの加入タイミング、学資保険に加入する際のメリットや注意点等について解説します。
学資保険はいつから加入できる?
学資保険は、一般的に保護者(親)が契約者、子どもが被保険者となり、子どもの進学や年齢等、あらかじめ定めたタイミングで、祝金や満期保険金を受取れる保険です。多くの学資保険には、保険料払込期間中に契約者が死亡または保険会社所定の高度障害状態になった場合、以降の保険料の払込みが免除される「保険料払込免除特約」が付帯されます。学資保険は、保護者に万が一の事態があっても、教育資金を準備できることが特徴です。
学資保険は、子どもが0歳の時から加入できます。保険商品の中には、妊娠中(出生予定日の140日前等)から加入できるものもあります。妊娠中は出産後よりも時間に余裕があり、保険商品をじっくり比較検討できる場合が多いため、この時期に学資保険を選んでおくのもおすすめです。
なお、妊娠中での加入は、妊娠の経過が順調であることが条件です。また、子どもの名前が決まっていなくても加入できます。
学資保険はいつまで加入できる?
学資保険への加入には子どもの年齢制限があり、いつでも加入できるわけではありません。子どもの年齢の上限は、保険商品によって異なりますが、6、7歳までとしているものが多くあります。
また、学資保険の多くは、保険料払込免除特約が付帯されるため、契約者である保護者の年齢制限も定められています。一般的に、年齢を重ねるほど、払込期間中に死亡したり保険会社所定の高度障害状態になったりするリスクが高くなるからです。
そのため、学資保険への加入タイミングは、できるだけ早い時期がおすすめです。子どもも契約者も一番若い時期である妊娠中に加入できれば理想的といえるでしょう。
学資保険への加入タイミングは早いほうがよい理由
学資保険への加入が早いほうがよい理由は、前述した年齢制限だけではありません。ここでは、学資保険に早めに加入するほうがよい理由を見ていきましょう。
比較検討する時間が確保しやすい
一般的に、産後よりも妊娠中のほうが、比較検討する時間の確保がしやすいといえます。子どもが生まれると、日々子どもの世話で忙しくなります。また、幼い子どもを連れて、保険会社や保険代理店に出向いても、その時の子どもの状況によっては、集中して話を聞くことが難しい場面もあるかもしれません。
「気がついたら、加入できる年齢を過ぎていた」といった事態を防ぐためにも、学資保険は時間にゆとりのある妊娠中に加入しておくとよいでしょう。
毎月の保険料の負担が軽くなる
学資保険に早期に加入すると、月々払込む保険料を抑えられます。子どもの教育資金が必要な時期は、おおよそ決まっており、その時期に合わせて満期を設定することが一般的です。早期に学資保険に加入すると、保険料を払込む期間が長くなる分、月々の保険料の負担は小さくなります。
また、学資保険の保険料は、契約者である保護者と被保険者である子どもの年齢が低いほうが抑えられます。つまり、加入時期が早ければ早いほど、月々の保険料も払込総額も低く抑えることができるのです。
さらに、子どもが小さいうちのほうが子どもにかかる費用を抑えられる傾向にあるため、早いうちに加入することで、毎月無理なく払込みができるでしょう。
返戻率が高くなる
早期に学資保険に加入することで、返戻率が高くなることもメリットです。返戻率とは、払込保険料の総額に対して受取れる祝金や満期保険金の割合を表したものです。返戻率が高ければ高いほど、より多くの金額を受取れます。
学資保険は、払込んだ保険料の一部が保険会社によって運用されるので、早期に加入すれば運用期間が長くなり運用による利益が増えます。また、早期に加入することで払込む保険料総額も抑えられ、返戻率が高くなるのです。
早くから契約者の万が一に備えられる
学資保険の大きな特徴のひとつとして、契約者に万が一のことがあった際に以降の保険料の払込みが免除される保険料払込免除特約があります。早くから学資保険に加入しておけば、この保障を長く受けることができます。契約者である保護者の万が一に長く備えつつ、教育資金を確保できることは、大きなメリットといえるでしょう。
学資保険に加入する際の注意点
学資保険に加入する際には、加入時の状況によって注意すべき点があります。ここでは、加入時の子どもや契約者の状況別に注意点を見ていきましょう。
子どもが早生まれの場合
子どもが1月1日~4月1日の早生まれの場合、満期保険金の受取時期に注意が必要です。学資保険の加入目的が大学入学費用の準備であるなら、満期保険金の受取時期は「18歳」ではなく、「17歳」に設定しておくほうがよいでしょう。
学資保険の満期保険金は、満期日以降に受取ることができます。満期日は、子どもの誕生日ではありません。契約時に決めた満期年齢を迎えた後に最初に訪れる契約日に対応した日(契約応当日)の前日であるのが一般的です。例えば、子どもの誕生日が3月1日、契約日が6月1日であれば、満期保険金を受取れる日は、子どもが満期年齢を迎えた年の5月31日以降になります。受取時期を18歳に設定してしまうと、満期保険金の受取りが大学入学後となってしまいかねません。そのため、早生まれの子どもの場合は、満期保険金の受取時期を17歳に設定しておくほうが安心です。
なお、早生まれに限らず、子どもの誕生日と契約日の関係によっては、18歳満期に設定してしまうと満期保険金の受取りが大学入学後になってしまうケースがあります。また、推薦入試等で早い時期に入学費用を準備しなければならない場合も考えられます。学資保険の加入目的や資金が必要となるタイミングを踏まえて、満期保険金の受取時期を適切に設定することが大切です。
子どもが大きくなってから加入する場合
学資保険の保険料は、加入時の子どもの年齢や契約者である保護者の年齢によって決まります。加入時期が遅くなればなるほど保険料が高くなるため、返戻率は低くなります。子どもが6歳等、大きくなってから加入する場合は、返戻率を高める以下のようなポイントを抑えておくことが大切です。
・満期保険金の受取時期を遅くする
満期保険金の受取時期を遅くすると、それだけ運用期間が長くなるため、返戻率を高めることができます。例えば、受取時期を大学進学に合わせた17歳または18歳満期とするよりも、大学在学中の費用にも備えられる21歳または22歳満期とするほうが、運用期間が延びる分、返戻率は高くなります。
・給付回数を減らす
給付回数を減らすことも、返戻率を上げるポイントのひとつです。学資保険のなかには、満期保険金に加え、小学校入学、中学校入学等のタイミングで祝金を受取れるタイプもありますが、満期時に一括で受取るほうが返戻率は高くなります。
・払込期間を短くする
返戻率を上げるもうひとつのポイントが、払込期間を短くすることです。学資保険は、加入時に保険料の払込期間を設定します。一般的に、短期間で保険料を払込むと払込総額が少なくなり、返戻率は高くなります。ただし、月々の保険料の負担は重くなるため、家計に無理のない払込期間を設定しましょう。
学資保険の返戻率については、以下の記事をご覧ください。
学資保険の返戻率とは?計算方法や返戻率を高くするポイントを解説
契約者が祖父母の場合
学資保険の契約者は、保護者(親)になることが一般的ですが、祖父母になるケースもあるでしょう。その場合は注意が必要です。
まず、子どもの親権者である親の同意が必要です。また、保険商品によっては、被保険者である子どもとの同居や、子どもを扶養していることの証明が必要な場合もあります。
契約者の年齢制限により加入できないケースもあるでしょう。また、保険料払込免除特約が付帯されている学資保険の場合、加入時に契約者の健康状態の告知を求められることから、健康状態によっては加入できない可能性もあります。
祖父母が学資保険の契約者になる場合については、以下の記事をご覧ください。
孫のために祖父母は学資保険に加入できる?注意点や税金を解説
学資保険に加入するメリット
学資保険への加入メリットはいくつかあります。主なメリットについて見ていきましょう。
将来の教育資金を計画的に準備できる
学資保険に加入すれば、将来の教育資金を計画的に準備できることが大きなメリットです。教育資金を貯金で用意しようと思っても、子どもが大きくなるにつれて生活費の負担も大きくなるため、計画どおりに貯められないことも少なくありません。
学資保険に加入しておけば、毎月の保険料が預金口座から自動引き落としで積み立てられるため、うっかり使ってしまうこともないでしょう。
契約者に万が一のことがあっても確実に教育資金をのこせる
契約者に万が一のことがあっても確実に教育資金をのこせることも、学資保険への加入メリットです。多くの学資保険には、契約者である保護者が死亡または保険会社所定の高度障害状態になった場合は、以後の保険料の払込みが免除される保険料払込免除特約があります。契約者に万が一のことがあったとしても、保障は継続されるため、教育資金を確実にのこせます。
生命保険料控除の対象になる
生命保険料控除の対象になることも、学資保険への加入メリットといえるでしょう。学資保険は生命保険の一種なので、払込んだ保険料は生命保険料控除の対象になります。
生命保険料控除は、所得控除のひとつです。所得税や住民税を計算する際に、所得から一定金額が差し引かれ、その分、所得税・住民税の負担が軽くなります。学資保険の払込保険料は、生命保険料控除の対象になるため、教育資金の積立と同時に税負担を軽減できます。
学資保険のメリット・デメリットについては、以下の記事をご覧ください。
学資保険とは?メリット・デメリットや仕組みについて解説
子どもが大きくなり、学資保険以外で教育資金の準備を検討する場合
学資保険にはさまざまな加入メリットがありますが、子どもの年齢制限があります。そのため、子どもの年齢によっては、加入を迷っている人もいるでしょう。教育資金を貯める目的として加入する保険は、学資保険だけではありません。
学資保険の代わりになる保険としては、低解約返戻金型終身保険や個人年金保険が挙げられます。
低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間終了までは解約返戻金が抑えられている終身保険です。その分、通常の終身保険に比べ保険料が割安に設定されています。保険料払込終了後は解約返戻金が通常の水準に戻るため、払込期間終了のタイミングを進学の時期に合わせることで、教育資金の準備としても利用できます。一方の個人年金保険は、主に老後の資金の準備に利用される保険ですが、教育資金づくりとして活用する人もいます。
どちらの保険にも円建て・外貨建てがありますが、外貨建ての場合は為替の影響を受けることに注意が必要です。また、学資保険と同様に、低解約返戻金型終身保険や個人年金保険においても、積立期間が短いと元本割れのリスクがあります。
なお、保険以外で教育資金を準備する方法として、NISAを活用して資産運用を行う選択肢もあります。ただし、元本保証はなく、運用結果は自己責任になるため、確実性は低くなることに注意が必要です。そのため、余剰金がある場合に検討する貯蓄方法であり、教育資金を確実に準備する必要がある場合は、他の方法を選ぶことをおすすめします。
学資保険を含め、どの方法が教育資金を準備するのに適しているかは、それぞれの家庭の事情によって異なるため、一度、保険会社や保険代理店等に相談するとよいでしょう。
学資保険への加入は早めに検討を始めよう
子どもの教育資金を準備するための学資保険は、0歳や、早くて出生140日前から加入ができます。子どもや契約者の加入年齢には上限があり、一般的に加入時の年齢が高くなるほど月々の保険料の負担は重くなり、返戻率も下がる傾向があります。そのため、学資保険への加入を検討中であれば、できる限り早い段階で加入するのが理想的といえるでしょう。
なお、教育資金を準備する方法は学資保険以外にもあります。家庭のニーズや状況に合わせて比較検討することが大切です。
教育資金の準備方法に迷ったら、「ほけんの窓口」に相談してみてはいかがでしょうか。「ほけんの窓口」では、一人ひとりのニーズに合った教育資金の準備方法を選ぶお手伝いを行っています。教育資金を目的とした保険の紹介の他、NISA等の資産形成に関しても相談が可能ですので、教育資金の準備方法に迷ったら、ぜひ「ほけんの窓口」にご相談ください。
監修者プロフィール
原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。