終身がん保険とは?定期型との違いやメリット・デメリットを解説

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がん保険は、日本人の2人に1人が生涯のうちにかかるといわれるがんに備えるための保険です。がん保険には、大きく分けて「終身型」と「定期型」がありますが、保険期間以外にどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、がん保険の終身型・定期型の保険期間や支払方法の特徴、メリットやデメリット、がん保険に加入する際の注意点等についても解説します。

がん保険には「終身型」と「定期型」がある

がん保険は保険期間の違いによって、「終身型」の終身がん保険と、「定期型」の定期がん保険の2種類に分けられます。保険に加入する際には、自分の希望に合ったタイプを選ぶ必要があります。保険期間以外にもどのような違いがあるのか、それぞれ確認していきましょう。

終身がん保険の特徴

終身がん保険の保険期間は一生涯です。満期はなく、解約しない限りは生涯にわたって保障が続きます。保険料は同じ額で支払いが続く「終身払い」が多く、加入時に決定した保険料が払込期間中に上がることは、原則はありません。

また、老後も続く支払いが心配な場合は、一定の年齢で早い段階に払い込みが終わる「短期払い(有期払込)」を選べる商品もあります。1回あたりの保険料は、終身払いよりは割高になりますが、支払総額で見ると、割引の関係で短期払いの方が負担は少なくなる場合もあります。早く支払い終わって保障が一生涯続くため、自分のライフプランに合わせた支払いの形を選ぶのがおすすめです。

定期がん保険の特徴

定期がん保険は10年、15年等、保険期間があらかじめ決まっています。必要な期間だけ、保障を手厚くしたいという場合に検討するのがよいでしょう。保険期間が満了すると保障も終了するため、継続して保障を受けたい場合は更新手続きが必要となります。ただし、更新の場合は同じ保障内容であっても、その時の年齢で保険料の見直しが行われます。更新の度に負担が増える可能性があるので、注意が必要です。

終身がん保険と定期がん保険のメリット・デメリット

終身がん保険と定期がん保険には、それぞれメリットとデメリットがあるため、保険の特性を理解した上で選ぶことが大切です。それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

終身がん保険のメリット

終身がん保険のメリットは、払込期間中の保険料が加入時から変わらないことです。年齢によって見直し等は行われず、保険料が契約時のまま一定なので、支払計画も立てやすくなります。

また一般的に、がんの罹患リスクは年齢が上がるほど高まるといわれています。生涯にわたって保障が続く終身がん保険なら、年齢が上がっても安心して備えられ、万が一の場合は金銭的な負担を軽減することができるでしょう。

終身がん保険のデメリット

終身がん保険のデメリットは、同じ年齢で加入した場合の定期がん保険に比べて、加入時の保険料が高くなることです。特に子どもの教育費や住宅ローン等で支出が多い時期は、月々の保険料の負担が大きいと感じるかもしれません。

また、終身がん保険は保険期間が一生涯なので、途中で見直しがしにくいというデメリットもあります。最近のがん保険は終身型でも解約返戻金のない、いわゆる掛け捨てタイプが多くなっています。解約して新しい保険に乗り換えようと考えても、払い込んだ保険料が戻ってこなかったり、年齢によっては保険料が割高になったりする可能性があります。

定期がん保険のメリット

定期がん保険のメリットは、終身型に比べて加入時の保険料が安く設定されていることです。そのため収入がそれほど多くなかったり子育てにお金がかかったりする年齢の若い時期に加入しても、比較的安価な保険料で保障を受けることができます。

他にも、定期がん保険には、保険期間が満了になるタイミングで保険を見直しやすいというメリットもあります。ライフステージに合わせて、より自分に必要な保険に切り替えることも、比較的容易にできるでしょう。

定期がん保険のデメリット

定期がん保険のデメリットは、更新時に保険料の負担が上がってしまうことです。がん保険は、加入時の年齢が上がるほど保険料が高くなっていきます。そのため、更新時の年齢によって、月々の保険料が終身型より高くなってしまう場合があります。また、保険会社によって異なりますが、定期がん保険を更新できる年齢には上限があるため、高齢になってから保険が更新できないといった事態にならないよう注意しましょう。

がん保険を申し込む時の注意点

がん保険には、診断を受けても給付金が受けられない期間や、給付金の支払い条件、保障の範囲外となるがんの種類等注意しておきたい点があります。終身がん保険と定期がん保険のどちらを申し込む場合でも、以下の点に注意が必要です。

免責期間

がん保険には、90日間または3か月の免責期間があります。免責期間とは、がん保険に加入後、保障を受けられない期間のことです。この免責期間中にがんと診断されても、給付金は支払われません。

例えば、がん保険の見直しを行った際に、新しい保険を契約してすぐに古い保険を解約してしまうと、90日間は保障が受けられなくなってしまいます。がん保険の切替えをする際には、保障期間の空白が生じないように、新しい保険の免責期間が経過した後に古い保険を解約するようにしましょう。

保障の範囲

がん保険を選ぶ際には、保障期間だけではなく、保障の範囲にも注目しましょう。がんの種類は、「上皮内新生物」と「悪性新生物」に大別されます。このうち上皮内新生物は、適切な治療を行えば転移や再発のリスクがほとんどないとされ、保険商品によっては保障の対象外になったり、保障内容に制限が設けられたりする場合があります。

ただし、上皮内新生物であっても、手術や入院の可能性は十分考えられます。さまざまなリスクに備えたいという場合は、上皮内新生物も保障対象になるがん保険を選ぶようにしましょう。

診断給付金の回数

がん保険の多くは、がんと診断された時に診断給付金を受取ることができます。この診断給付金が支払われる回数は、保険商品によって異なるため注意が必要です。保険商品によって、診断給付金の支給は1回限りというものや、一定期間以上経過していれば再度支給されるもの等さまざまです。がん保険に申し込む際には、診断給付金の回数や支払い条件をしっかり確認しておきましょう。

自分に合ったがん保険を検討しよう

がんになってしまったら、その後の生活が不安になるかもしれませんが、早期に発見して適切な治療を行えば、がんは決して怖い病気ではないともいわれます。将来に備え、がん保険に加入する際には、必要な保障内容と保険料、保障期間等のバランスを考え、自分に合った保険商品を選ぶことが大切です。

自分だけでは判断に迷う場合は、保険の専門家に相談するのがおすすめです。「ほけんの窓口」では、保険のプランに関するご相談やお見積もりが、何度でも無料でご利用いただけます。自分に合ったがん保険を検討したい場合は、ぜひ「ほけんの窓口」へご相談ください。

監修者プロフィール

黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。FPサテライト株式会社所属FP。

黒川 一美
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