家計の見直しはどこから?固定費を見直す方法と節約のコツを解説

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貯蓄や節約のために家計を見直したいと思っても、「なかなかうまくいかない」「どこから手をつければいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。家計の見直しには、効果的な順番やコツがあります。家計の見直し方を知らずに、やみくもに支出を削ろうとしても、家計の改善は思うようにいかないかもしれません。

ここでは、家計を見直す際の手順や家族構成別のポイント、家計の見直しに適したタイミング等、効率良く家計の見直しを行う方法について解説します。

この記事のポイント

  • 家計を見直す際は、家計の把握から始めるのがポイント
  • 固定費の無駄から見直すことで、毎月自動的に一定額の節約が可能になる
  • 固定費のなかで支出割合が大きいのは「住居費」「通信費」「保険料」
  • 子どもがいる家庭では、子どもの成長ステージにあわせて定期的に家計を見直す必要がある

家計の見直しは家計の把握から始める

家計を見直す第一歩は、毎月の収入と支出を確認して、家計の現状を把握することです。収入は比較的容易に確認できますが、支出については細かい内訳を把握していないという人も多いかもしれません。

毎月の支出を把握するには、家計簿をつけることをおすすめします。家計簿は、従来の家計簿ノートの他、表計算ソフトや家計簿アプリを活用する方法があります。支出を把握する際は、現金だけではなく、クレジットカード等の口座引き落としも含め、すべての支払いをしっかり把握することが重要です。家計の現状を把握すると、「何にいくら使っているか」がわかりやすくなり、どの項目から手を付ければいいかが明確になります。

また、毎月の収支の把握とあわせて、将来に向けた貯蓄目標も立てましょう。教育費や老後資産等の長期的な貯蓄目標と、旅行や引っ越し資金等の短期的な貯蓄目標の両方を設定することをおすすめしますが、まずは1年先、5年先の目標からでも構いません。目標額を定めると、家計の見直しがしやすくなります。

支出には「固定費」と「変動費」がある

家計の見直しを行う前に知っておきたいのが、支出の分類です。支出は、以下のように、毎月の支払額がある程度決まっている「固定費」と、月によって支払額が変わる「変動費」の大きく2つに分けられます。

<主な固定費>

  • 住居費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • サブスクリプション費用、会費
  • 保険料

<主な変動費>

  • 食費
  • 被服費
  • 娯楽費
  • 医療費

一般的には、収入のうち45%を固定費、35%を変動費、残りの20%を貯蓄に回すというのが目安のひとつです。家計簿で月々の支出を確認し、目安のバランスからかけ離れている場合は、家計の見直しを検討してみましょう。

家計を見直す際の手順

ここから、具体的に家計を見直す手順について解説します。家計の見直しは、以下のような手順で行うと効果的です。

1. 固定費の見直し

まずは、住居費や水道光熱費、通信費といった固定費の見直しを行います。毎月一定額の支出が発生する固定費は、一度見直せば継続した節約効果が期待できます。固定費の項目ごとに、削減できる支出がないかを確認していきましょう。

2. 使途不明金の確認

使途不明金とは、何に使ったのかが不明な支出のことです。家計簿で支出を把握する際、計算上の残高と実際に手元にあるお金が合わなければ、使途不明金が発生しているということです。

使途不明金が生まれる要因には、「別口座や別の財布に移した現金を把握できていない」「買い物の時にレシートをもらっていない」「自動販売機での購入や食事の割り勘を記録していない」「PTA会費や町内会費等、レシートがない支払いを管理できていない」といったことが挙げられます。

使途不明金が多いほど、気づかないうちに無駄遣いをしている可能性が高くなります。お金を動かした時点できちんと家計簿に記録し、無駄遣いをなくしていきましょう。

3. 変動費の見直し

固定費の見直しと使途不明金の確認が終わったら、変動費の見直しを行います。変動費は生活を豊かにする側面もありますが、放っておくと膨らみやすい支出です。

家庭やライフスタイルによって、何を重視するかは異なるものの、項目ごとに予算を決めておくことをおすすめします。一気に節約しようとするとストレスが溜まってかえって逆効果ですので、無理をしすぎないことも大切です。

家計を見直すタイミング

家計の見直しにおすすめのタイミングは、ライフステージが変化した時です。結婚、出産、引っ越しやマイホーム購入、子どもの進学、退職等、家族構成や生活スタイル、家計状態が変化した時には、家計の見直しを行うことをおすすめします。

また、家計の見直しは、こうしたタイミングだけではなく、定期的に継続していくことも大切です。日々の忙しさで家計の見直しが後回しにならないように、年末年始や半年ごと、夏と冬のボーナス前等、あらかじめタイミングを決めておくといいでしょう。定期的な振り返りの習慣をつけておくことで、無駄遣いの防止にも役立ちます。

支出割合が大きい「住居費」「通信費」「保険料」を見直すポイント

家計の支出のうち高い節約効果を期待できるのが、固定費の見直しです。ここからは固定費のなかでも支出割合の大きい「住居費」「通信費」「保険料」について、見直す際のポイントを紹介します。

住居費

賃貸住宅の場合、無理なく支払える家賃の目安は、手取り収入の30%以内といわれています。家賃が手取りの30%を超えているなら、引っ越しを検討するのもいいでしょう。契約更新のタイミングで家賃交渉をするのもひとつの方法です。

持ち家で住宅ローンを支払っているなら、確定申告や年末調整(2年目以降)で住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の手続きを行えば税負担の軽減につながります。また、金利の低い金融機関に借り換えることで、利息の支払いを節約できる可能性があります。ただし、手数料等が必要になるため、慎重に検討しましょう。

通信費

スマートフォンや自宅のインターネット回線等の通信費は、通信会社や料金プランの切り替えを検討してみましょう。例えば、スマートフォンを大手キャリアから格安SIMに切り替えられれば、それだけで毎月数千円の節約になります。インターネット回線についても、インターネット回線とスマートフォンをセットで契約する割引キャンペーンを利用できれば、大きな効果が見込めます。通信速度を求めないのであれば、固定回線よりもモバイルWi-Fiのほうがリーズナブルかもしれません。

ただし、解約時には解約手数料等が発生する場合もあるので、費用については事前に確認することをおすすめします。

保険料

加入している保険の保障内容が、現在の状況に合っているかを確認しましょう。もし昔加入した保険がそのままになっているなら、保障内容を見直すことで保険料を節約できる可能性があります。特に、複数の保険に加入している場合は、保障内容が重複していないかをよく確認することが大切です。ただし、保険の見直しの際には、必要な保障まで削らないように、保険の専門家に相談することをおすすめします。

また、生命保険や地震保険の保険料を支払っている場合は、年末調整や確定申告で保険料控除を申請すると、税金の負担を軽減できます。

節約術については、以下の記事をご覧ください。
今すぐ始めたい節約術!固定費・変動費の見直しのポイントを解説

家族構成のタイプ別、家計を見直すポイント

家計を見直す際のポイントは、家族構成によっても変わってきます。「一人暮らし」「共働き夫婦」「子どもがいる家庭」のタイプ別に、家計の見直しポイントを見ていきましょう。

一人暮らし

独身で一人暮らしの場合は、安定した生活基盤を築くためにも、無駄な支出がないかをしっかりと見直すことが大切です。

支出の見直しは、まず固定費からです。前述した住居費や通信費、保険料の他にも、利用していないジムやサブスクリプションといった無駄な支出があれば削減していきましょう。保険に加入している場合は、保障内容が過剰になっていないかを確認してください。

その上で、つい使いすぎてしまいがちな食費や娯楽費等の変動費を予算化するのがおすすめです。

また、計画的に貯蓄をするには、「余ったら貯金する」ではなく、収入からあらかじめ一定額を貯蓄に回す「先取り貯蓄」が効果的です。先取り貯蓄が習慣になっていれば、将来的に結婚や子どもの誕生等、家族構成が変化しても、貯蓄を継続しやすくなります。

共働き夫婦

共働き夫婦の場合は、「夫婦のいずれかが家計を管理する」「夫婦が別々に家計を管理する」「共有口座に一定額ずつを入れて家計管理をする」等、家計の管理方法がそれぞれ異なります。いずれにしても、お互いの収支や貯蓄額を把握し、家計管理の役割分担を明確にしておくほうが、家計の見直しがしやすくなります。

家計を見直す際には、まず、将来起こりえるライフイベントについて2人で話し合うことが大切です。出産、旅行、マイホーム購入等、夫婦の考えをすり合わせ、貯蓄目標や計画を立てていきましょう。その上で、固定費から見直すことには変わりありません。特に、夫婦それぞれが結婚前に加入していた保険がある場合は、保障内容の見直しが必要です。

協力して支出を管理して無駄を省く他、貯蓄目標に向けた計画的な貯蓄や投資を行うことを視野に入れてもいいかもしれません。

結婚後の保険の見直しについては、以下の記事をご覧ください。
結婚したら保険の見直しは必要?夫婦で備えたい保険を解説

子どもがいる家庭

子どもがいる家庭の場合は、将来かかる教育費を見据えた上で、家計を見直す必要があります。必要な出費は子どもの成長ステージによって変わるため、家計の見直しは定期的に行いましょう。

固定費を見直して無駄な出費を削減すると同時に、増えがちな食費や日用品等については、月々の予算を立てて計画的に管理することをおすすめします。

教育費のなかでも大きな出費は、子どもの大学の学費です。実際に教育費がいくらかかるかは進学先によって異なりますが、負担が大きくなる時期に備えて早めに貯蓄を開始することが大切です。

保険を見直す場合は、子どもの年齢や家計状況によって見直し方が異なるため、慎重に行う必要があります。例えば、小さな子どもがいる場合は死亡保障を削減しないほうがいい一方、子どもの独立後は保障を減額することも考えられます。

必要な保障を削らないためにも、保険の見直しは専門家に相談しながら行うのがおすすめです。

子どもの教育費については、以下の記事をご覧ください。
子どもの教育費の平均はいくら?大学卒業までに必要な教育費を解説

家計の見直しはお金の専門家に相談する方法もある

家計の見直しをしたいと思っても、「思うようにお金が貯まらない」「どれくらいの貯蓄目標を立てればいいかわからない」という人も多いかもしれません。自分だけで家計の見直しをするのが難しい場合は、お金のプロであるファイナンシャル・プランナーに相談するのもひとつの方法です。

ファイナンシャル・プランナーは、お金にまつわる幅広い知識と包括的な視点を持つ生活設計の専門家です。ファイナンシャル・プランナーに相談すれば、収支バランスの見直しや、目的に沿った効果的な貯蓄方法といったアドバイスをもらうことができるでしょう。

「ほけんの窓口」では、保険の相談だけではなく、ファイナンシャル・プランナーに家計やお金の相談も可能です。また、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった資産形成についても相談できます。

「ほけんの窓口」のファイナンシャル・プランナーの相談については、以下のページをご覧ください。
家計・お金のことはファイナンシャル・プランナー(FP)に無料相談

家計の見直しはお金の流れを把握し、目標貯蓄額を設定してから行おう

家計の見直しは、家計簿等で収支を把握し、目標貯蓄額を設定してから行うことが大切です。貯蓄目標を達成するのが難しそうな場合や、ライフステージや収入が変化した場合等は、その都度見直しを行うことをおすすめします。

家計の見直しは、固定費、使途不明金、変動費の順番で行っていくのがポイントです。なかでも固定費の見直しは継続した節約効果が期待できるため、最初に着手して無駄な支出をしっかりと削減しておきましょう。

また、固定費のひとつでもある保険料の見直しを行う際には、必要な保障までなくしてしまわないように注意が必要です。保険の見直しについて不安がある場合は、保険の専門家に相談するのがおすすめです。「ほけんの窓口」なら、ファイナンシャル・プランナーが在籍しているため、保険料の見直しはもちろん、資産形成についても相談できます。家計や保険の見直しに悩んだ時は、お気軽にご相談ください。

家計の見直しについてよくある質問

家計の見直しについて、よく聞かれる疑問をまとめました。それぞれの質問について解説していますので、参考にしてください。

家計の見直しをするためには何をしたらいいですか?
家計の見直しをするためには、まず、家計の現状を把握することが大切です。家計簿等で毎月の収支を把握し、年間の貯蓄目標を立てましょう。そして、その貯蓄目標を達成するために月々の支出をいくらにすればいいか、という予算を設定します。
家計を見直す際、最初に見直す項目は何ですか?
家計の見直しは、固定費から始めるのがおすすめです。固定費とは毎月の支払額がある程度決まっている支出のことで、住居費やローン返済、水道光熱費、通信費、サブスクリプション費用・会費、保険料等が挙げられます。固定費は一度見直せば継続した節約効果が期待できるため、最初に着手し、無駄な支出がないかをしっかりチェックすることが大切です。
子どもがいる家庭の場合は、どのように家計を見直したらいいですか?
子どもがいる家庭では、将来かかる教育費を見据えた上で、子どもの成長等に合わせて定期的に家計を見直します。特に保険の見直しについては、子どもの年齢や家計状況によっても異なり、慎重に行う必要があるため、保険の専門家に相談することをおすすめします。また、固定費の削減と同時に、月々の予算を立て、食費や日用品といった変動費を計画的に管理することも大切です。
自分で家計を見直すのが難しい場合はどうしたらいいですか?
自分で家計を見直すのが難しい場合は、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーに相談するのもひとつの方法です。ファイナンシャル・プランナーに相談することで、収支バランスの見直しや、目的に沿った効果的な貯蓄方法といったアドバイスを得られます。「ほけんの窓口」では、保険の見直しの相談の他、家計やお金のことをファイナンシャル・プランナーに相談することもできます。

監修者プロフィール

原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。

原 絢子さん
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