終身保険の払込期間とは?期間の選び方や保険期間との違いを解説
一生涯保障が続く終身保険に加入したら、保険料も一生涯払込み続けなければならないと思っている人もいるかもしれません。しかし、終身保険の場合、払込期間と保険期間が異なるケースもあります。
ここでは、払込期間と保険期間の違いと、終身保険の払込期間の種類やそれぞれのメリット・デメリット、払込期間の選び方について解説します。
払込期間と保険期間との違い
払込期間とは、保険契約者が保険料の払込みを行う期間を指します。払込期間とよく混同される言葉として保険期間がありますが、保険期間は保障が続く期間のことです。
また、保険商品やプランによって、払込期間と保険期間が異なる場合もあります。終身保険の場合、保険期間は一生涯ですが、払込期間は一生涯とは限りません。払込期間は、保険会社や保険商品によって、あらかじめ決まっている場合と、契約者が契約時に「終身払」「有期払」「一時払」から選択できる場合があります。
終身保険の払込期間の種類と特徴
終身保険の払込期間が選べる場合、終身払、有期払、一時払があります。さらに、有期払には「10年間」などの決まった期間で払込むタイプと、「60歳まで」等の一定の年齢までに払込むタイプがあります。
終身払、有期払、一時払には、それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合った払込期間を選ぶことが大切です。詳しくご紹介しましょう。
終身払のメリット・デメリット
終身払は、保険料が一生涯続く払込方法です。終身払のメリットは、有期払と比べて月々の保険料が割安なことです。一方のデメリットは、長生きすると有期払よりも払込保険料の総額が高くなることが挙げられます。また、生涯にわたって保険料を払込む必要があるため、老後等で収入が少なくなった時に経済的な負担がかかることがデメリットです。
有期払のメリット・デメリット
有期払は、払込期間を保障期間より短く設定する払込方法です。有期払のメリットは、払込みが完了すれば、以降は保険料の負担なく保障を継続できることです。現役のうちに払込みを終えるように設定すれば、老後は経済的な負担を軽減できます。デメリットとしては、月々の保険料が終身払に比べて割高なことです。
一時払のメリット・デメリット
契約時に保険料全額を一度にまとめて払込む方法が、一時払です。一時払のメリットは、他の払込方法よりも払込保険料の総額が割安になること、また、解約返戻金が払込保険料の総額を上回るまでの期間が短いというメリットもあります。一方、一時払のデメリットは、まとまった資金を用意する必要があることです。また、他の払込方法と異なり、生命保険料控除が1回しか受けられません。
終身保険の払込期間の選び方
終身保険の払込期間は、保険に加入する目的から選ぶのがおすすめです。目的別に払込期間の選び方を見ていきましょう。
死亡保障が目的の場合
死亡保障を目的として終身保険に加入する場合、家計の状況や将来の見通しを踏まえた上で、払込期間を検討することをおすすめします。月々の保険料負担をなるべく軽くしたい場合は、終身払を検討してもよいでしょう。一方で、老後に収入が減るリスクを考えて、定年までに払込みを終わらせたいと考えるなら、有期払が向いています。
貯蓄が目的の場合
貯蓄を目的に終身保険への加入を検討する場合は、有期払を選ぶとよいでしょう。一般的に、払込期間を短く設定すれば、解約返戻率は高くなります。ただし、払込期間が短くなるほど、月々の保険料も高くなる点に注意が必要です。また、資金に余裕があれば、一時払を検討するのもひとつの方法です。
教育資金等、お金が必要な時期があらかじめわかっているなら、それまでに払込みを終え、返戻率100%以上の解約返戻金が受取れるようにしておきます。お金を使う必要がなくなった場合でも、保険契約を続けていれば、将来的に受取る解約返戻金も増えていきます。
終身保険については、以下の記事をご覧ください。
終身保険とは?メリット・デメリットと種類についてわかりやすく解説
終身保険の払込期間が長期なら検討したい「保険料払込免除特約」とは
終身保険の払込期間が終身払や10年以上等の長期の場合、「保険料払込免除特約」を付帯するのもおすすめです。保険料払込免除特約とは、三大疾病や身体障害、要介護状態等、保険会社所定の状態になった時に、以降の保険料の払込みが免除される特約です。払込期間が長期にわたる場合は、こうした万が一の状況になるリスクも高くなります。例えば、三大疾病の治療が必要になった場合、収入の減少や医療費の負担が増え、保険料の払込みが苦しくなることも少なくありません。保険料払込免除特約を付帯しておけば、このような事態になっても経済的負担を軽減しつつ、保障を継続できます。
ただし、保険料払込免除特約を付帯すると、その分保険料が上がることに注意が必要です。また、保険会社や特約によって適用される条件が異なります。保険料払込免除特約を検討する場合は、保険料や条件をしっかりと確認しておきましょう。
終身保険の払込期間は、加入目的や家計のバランスを考えて選ぼう
終身保険の場合、払込期間と保険期間は必ずしも一致しません。保険期間は一生涯ですが、払込期間は終身払、有期払、一時払から選択できる場合があります。払込期間が短くなるほど、月々の保険料は高くなりますが、解約返戻金の返戻率も高くなる傾向があります。終身保険の加入目的や家計とのバランスを見て、自分に合った払込期間を設定することが大切です。
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監修者プロフィール
原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。