定期保険特約とは?特徴や種類、メリット・デメリットを解説
定期保険は手頃な保険料で一定期間の保障を手厚くすることができるため、「子どもの教育費がかかる期間だけ死亡保障を手厚くしたい」「保険料を抑えつつリスクに備えたい」等の理由で、定期保険への加入を検討する人も多いでしょう。
ただ、一定期間の保障を手厚くするには、定期保険に単体で加入する以外に、他の保険に「定期保険特約」を付帯する方法もあります。定期保険のことは知っていても、定期保険特約についてはよくわからない、という人も多いかもしれません。定期保険特約とはどのような仕組みで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、定期保険特約の特徴や種類の他、メリット・デメリットについて解説します。
定期保険特約とは、特約として定期保険を組み合わせる契約
定期保険特約とは、終身保険等の定期保険以外の保険に特約として定期保険を組み合わせる契約のことです。定期保険は一定の期間のみを保障する掛け捨て型の死亡保険で、定期保険特約を付帯すると、基本の保障に加えて、必要な期間だけ手厚い保障を上乗せすることができます。
■終身保険に定期保険特約を組み合わせた例
例えば、「子どもが大学を卒業する頃まで死亡保障を手厚くしたい」という場合は、上の図のように、貯蓄性のある終身保険や養老保険等を主契約として、死亡保障を手厚く備えたい一定期間だけ定期保険特約を付けるといったケースがよくあります。
定期保険については、以下の記事をご覧ください。
定期保険の特徴や加入の必要性、代表的な3種類と見直す際の注意点
主契約と特約の違い
生命保険は、「主契約」と「特約」の組み合わせで成り立っていることが一般的です。主契約は、保険のベースとなる契約を指します。例えば、死亡保険の主契約は「保険期間中に被保険者が死亡または保険会社所定の高度障害状態になった場合に保険金が支払われる」契約のことです。
一方で、特約は、主契約に追加で加入するオプション契約を指し、主契約にプラスして保障を手厚くしたい時に活用されます。特約はあくまでオプションであるため、特約のみを契約することはできません。また、主契約の新規加入時しか付帯できない場合もあることに注意が必要です。
特約にはいろいろな種類がありますが、そのうち、主契約に定期保険の保障を追加できるのが、定期保険特約です。ただし、特約は商品によって付帯できる種類が異なります。加入を検討する際は、定期保険特約を付帯できるかどうかを確認しましょう。
定期保険特約の種類
定期保険特約は、「全期型」と「更新型」の大きく2種類に分けられます。定期保険特約を契約する際には、自分にとって必要な保障と期間、保険料とのバランスを考え、全期型か更新型かを選ぶことが大切です。それぞれどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
全期型
全期型は、「30年間」または「70歳まで」といったように、保障が必要な期間全体を通して保険契約を結ぶタイプです。保険期間を通じて保険料は一定で、途中で金額が上がることはありません。なお、全期型には更新の仕組みがなく、保険期間が終了すると、定期保険特約の保障はなくなります。
■全期型の定期保険特約のイメージ
更新型
更新型は、5年や10年等の期間で区切って契約し、更新を繰り返す仕組みです。全期型に比べると契約当初の保険料は割安ですが、更新のたびに保険料が新たに設定されます。一般的には更新ごとに保険料は上がるため、保険期間が長くなるとトータルの保険料が全期型より高くなる可能性があります。
保険期間が終了すると、自動で契約が更新されることが一般的です。その際、更新時の健康状態にかかわらず同じ保障内容で更新されるため、新たな告知や診査等は不要です。定期保険特約の解約や、保障内容の変更を希望する場合は、保険会社や保険代理店への連絡が必要になります。
■更新型の定期保険特約のイメージ
なお、主契約の払込期間満了後も原則として更新は可能です。ただし、更新可能な年齢には上限があることに注意しましょう。また、払込方法についても確認が必要です。例えば、月払の契約であっても、主契約満了後は、特約の払込方法が年払に変更となるケースもあります。
定期保険特約のメリット
定期保険特約のメリットは、同じ保険会社で同程度の保障内容の定期保険に単独で加入するより、保険料を抑えられることです。ライフステージに合わせて、必要な時期だけ定期保険特約で手厚い保障を上乗せできれば、リスクをカバーしつつ保険料負担を軽減することができます。例えば、「まだ子どもが小さいから手厚い死亡保障を用意したい」という場合、終身保険で高額の死亡保険金を確保しようとすると、払込む保険料も多くなり、家計を圧迫してしまう可能性があります。そのような時は、終身保険に定期保険特約を付帯し、子どもの教育費等がかかる時期のみ死亡保障を追加すればよいでしょう。
また、定期保険特約を主契約に追加すれば、複数の保障がひとつの保険証券にまとまり、管理がしやすくなることもメリットです。
定期保険特約のデメリット
定期保険特約は、特約単体では契約できないことがデメリットといえます。また、主契約をのこして定期保険特約を解約することは可能ですが、反対に、主契約を解約して定期保険特約だけをのこすことはできません。主契約の保険期間が満了になったり、主契約を解約したりした場合は、定期保険特約も自動的に解約になってしまいます。
もし「ライフステージに合わせてこまめに保険を見直したい」「保障内容を柔軟に見直しできるほうがいい」というような場合は、定期保険特約ではなく、主契約とは別に定期保険単体での契約を検討するのもひとつの方法です。
また、更新型の定期保険特約の場合は、前述したとおり、更新のたびに保険料が上がることや、更新可能な年齢に上限があることにも注意しましょう。
定期保険特約を検討する際には、これらの注意点を把握した上で、自分や家族のニーズに合わせて保障を選ぶことが大切です。
定期保険特約の特徴を知り、自分に合った契約方法を検討しよう
定期保険特約を契約すると、手頃な保険料で、必要な期間だけ保障を上乗せすることができます。ただし、定期保険特約は、あくまで主契約に付随する「特約」です。そのため、定期保険に単体で加入する場合とは異なり、主契約の満了時や解約時には、定期保険特約もあわせて解約されてしまう点に注意が必要です。家族の状況や希望等を踏まえて、定期保険特約を追加するか、個別で定期保険を契約するかを選びましょう。
自分に合った保険選びに迷った時には、保険の専門家に相談するのがおすすめです。「ほけんの窓口」では、保険のプランや見積もり等が、何度でも無料で相談できます。定期保険特約の付帯や、定期保険の加入について迷っている場合も、ぜひ「ほけんの窓口」にご相談ください。
監修者プロフィール
原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。