自動車保険の乗り換えに適したタイミングは?
デメリットや注意点を解説
デメリットや注意点を解説
すでに加入している自動車保険の満期が近づいた時や、ライフスタイルが変化した時等に、自動車保険の乗り換えを検討する人は多いかもしれません。しかし、他の自動車保険を検討しようと思っても、「手続きが面倒」「乗り換えにデメリットはないのか」等と迷っているうちにタイミングを逃し、同じ保険を継続しているケースもあるのではないでしょうか。
自動車保険の変更によって、保険料を抑えられたり、よりニーズに合った補償が見つかったりする可能性があります。
この記事では、自動車保険の乗り換えの検討に適した時期や、乗り換えのメリット・デメリット、自動車保険を乗り換える際の注意点等について解説します。
自動車保険の乗り換えとは
自動車保険の乗り換えとは、それまで加入していた自動車保険から、別の保険会社の自動車保険に変更することです。自動車保険を乗り換える理由は、「保険料を抑えたい」「ライフスタイルの変化に伴って補償内容を見直したい」等さまざまです。なかには、現在加入している保険会社の対応等に不満を感じ、自動車保険の乗り換えを検討するケースもあります。
自動車保険の乗り換えのタイミング
自動車保険の乗り換えを検討する際、手続きの時期や等級の引き継ぎ等に疑問を持つ人もいるかもしれません。自動車保険の乗り換えには、検討や手続きに適したタイミングがあります。スムーズに乗り換えを済ませるためにも、合理的なタイミングを知っておきましょう。
乗り換えを検討するタイミング
乗り換えを検討するタイミングとしておすすめなのは、現在契約している自動車保険が満期を迎える2~3か月前頃です。一般的にその時期になると、保険会社もしくは保険代理店から満期日と契約更新のお知らせが届きます。もちろん、それ以前から検討を始めても問題ありませんが、お知らせが届く時期はひとつの目安となるでしょう。
自動車保険を乗り換えるには、別の保険会社の情報を集め、保険料や補償内容等を比較検討する必要があります。満期日までに2か月程度の時間があれば、余裕をもって考えることができます。
乗り換えの手続きをするタイミング
特段の事情がなければ、自動車保険の乗り換えは、満期日のタイミングで手続きをするとよいでしょう。例えば、現在契約中の保険が1年契約の場合、保険期間に事故がなければ、満期日に合わせて乗り換えの手続きをすると、乗り換え後の契約は等級がひとつアップした状態で始まります。もし、満期日を待たずに保険期間の途中で乗り換えた場合は、そのままの等級で次の契約がスタートするため、1等級上がるまでに、そこから少なくとも1年は待たなければなりません。
この時に大切なのは、乗り換え前の自動車保険の満期日と、新しい自動車保険の保険始期日(補償開始日)を同じ日にすることです。そのため、現在加入している自動車保険の満期日前日までには、新しい保険会社への申込みを完了させましょう。満期日を過ぎてしまうと、事故を起こしても補償が受けられない無保険期間が発生してしまうため注意が必要です。また、満期日の翌日から7日以内であれば、基本的に前契約の等級の引き継ぎは可能ですが、それを過ぎると等級を引き継げなくなってしまいます。
なお、満期のタイミングでの乗り換えであれば、原則として以前の保険会社への連絡は不要です。ただし、自動継続特約が付いている場合は、保険会社に忘れずに解約の連絡をしましょう。自動継続特約が付いていると満期後も自動的に契約が更新され、新しい保険に加入しても、重複契約で後から契約した保険が無効となってしまいます。同様に、保険期間途中で自動車保険を乗り換える場合も、現在の保険会社での解約手続きと、新しい保険会社への加入手続きの両方が必要です。
自動車保険の乗り換えのメリット
では、自動車保険を乗り換えると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。自動車保険の乗り換えによる大きなメリットは、次の2つです。
保険料が安くなる可能性がある
自動車保険を乗り換える第一のメリットは、保険料が安くなる可能性があることです。実際に「保険料を抑えたい」という理由で、自動車保険の乗り換えを検討する人も少なくありません。
自動車保険の保険料は保険会社によって異なります。たとえ補償内容が同じでも、保険会社が変われば、保険料の金額も変動することはよくあります。複数の保険会社を比較検討してみると、それまで支払っていた金額よりも割安な保険料で、同じような補償が受けられる自動車保険が見つかるかもしれません。保険会社によっては、新規加入や乗り換えに関わるキャンペーンを展開していることもあります。
自分に合った補償や付帯サービスが見つかる場合がある
より自分に適した補償を受けられる可能性があることも、自動車保険を乗り換えるメリットといえます。自動車保険の補償内容や付帯サービスは、保険会社や保険商品によってさまざまです。例えば、ロードサービスの内容だけでも、レッカーサービスや給油の金額が無料になる範囲等、保険会社によって細かい違いがあります。自動車保険を乗り換えることで、今の自分に必要な補償内容を見直せます。
自動車保険の乗り換えのデメリット
前述のようなメリットがある一方で、自動車保険の乗り換えには次のようなデメリットも考えられます。メリットとデメリットの両方をしっかり把握した上で、乗り換えを検討するようにしましょう。
途中解約の場合は解約返戻金が月割計算の金額を下回る
年払で契約した自動車保険を、保険期間の途中で乗り換える場合は、解約返戻金が月割計算の金額より少なくなる可能性が高いでしょう。一般的に、自動車保険の解約返戻金は、単純な月割計算ではありません。保険会社ごとに設定された、解約返戻金を計算するための数字「短期率」に従って計算されるためです。なお、満期日に合わせて乗り換えた場合は、このようなデメリットはありません。
必要な補償が外れてしまう可能性がある
自動車保険の乗り換えによって補償内容が変わると、自分にとって必要な補償が外れてしまう可能性があります。自動車保険の補償内容は、保険会社や保険商品によって異なるため、保険料の安さだけで乗り換えてしまうと、後になってから必要な補償がなかったと気づくことになりかねません。乗り換えの際には、新しい自動車保険の補償内容をしっかりと確認することが大切です。
自動車保険を乗り換える際の注意点
自動車保険を乗り換える際は、保険料や保険期間に影響が出ないタイミングで手続きを行う必要があります。自動車保険の乗り換え時には、以下の点に注意しましょう。
保険期間中での乗り換え
自動車保険の乗り換え時期は、等級の引き継ぎに影響します。特に、現在加入している自動車保険の保険期間中に無事故だった場合は、満期日以外の時期で乗り換えると、等級が上がるタイミングが遅くなってしまいます。自動車保険では主に等級と事故有係数適用期間によって保険料の割増引率が変わってくるので、できるだけ満期日のタイミングで乗り換えるのがよいでしょう。
保険期間中の乗り換えは、事故を起こした場合でも注意が必要です。現在の保険期間中に事故があった場合は、乗り換え後の等級が下がります。保険期間中に乗り換えをすると、等級が下がるタイミングが早くなるので、早い段階から保険料の割引率が低くなってしまいます。ただし、乗り換え後の保険料やサービス等を検討し、等級の割引以上のメリットが考えられるのであれば、満期日を待たずに乗り換えるのもひとつの方法です。
なお、等級を引き継げるのは、原則として満期日(解約日)の翌日から7日以内です。もし、次の契約が7等級以上となる場合で、「現在の車を廃車にして新車の納車待ちをしている」等の理由で保険の契約が7日以上空いてしまうようであれば、乗り換え前の保険会社から「中断証明書」を取得しておきましょう。中断証明書があると、最大10年間、中断時の等級を維持することができます。
重複契約や空白の期間
自動車保険を乗り換える際には、保険の重複契約や空白期間が生じないように十分注意が必要です。
満期のタイミングでの乗り換えであれば、原則として以前の保険会社への連絡は不要です。ただし、自動継続特約が付いている場合は、保険会社に忘れずに解約の連絡をしましょう。自動継続特約が付いていると満期後も自動的に契約が更新され、新しい保険に加入しても、後から契約した保険が無効となってしまいます。
また、反対に自動車保険の空白期間があると、その間に万が一事故が起こっても、補償がまったく受けられなくなってしまいます。数日程度の空白だったとしても、事故が絶対に起きないとは言い切れません。空白の期間がないように、乗り換え前の自動車保険の満期日(または解約日)と、新しい自動車保険の保険始期日が同一になるようにしましょう。
自動車保険の乗り換えはタイミングが大切
自動車保険を乗り換えると、保険料を抑えられたり、自分に合った補償が見つかったりする可能性があります。ただし、乗り換えのタイミングによって、等級の引き継ぎ等に影響があるため注意が必要です。基本的には、自動車保険の乗り換えは満期日のタイミングがおすすめです。スムーズな乗り換えのためにも、早めの検討が望ましいでしょう。
ただ、乗り換えの際に複数の保険会社の情報を集め、保険料や補償内容を比較検討するのは大変かもしれません。もし自分だけでは判断に迷う場合は、保険の専門家に相談するのがおすすめです。「ほけんの窓口」では、保険のプランに関する質問や見積もり等が、何度でも無料で相談できます。自分に合った自動車保険を検討したい場合は、ぜひ「ほけんの窓口」へご相談ください。
- ※特約の名称や補償内容は保険会社ごとに異なります。
- ※当ページでは自動車保険に関する一般的な内容を記載しています。個別の保険商品等の詳細については保険会社および取扱代理店までお問い合わせください。
(2024年3月承認)B23-104398
監修者プロフィール
黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。FPサテライト株式会社所属FP。