火災保険の相場はいくら?保険料の決まり方と金額を抑えるポイント

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一戸建てでも集合住宅でも、万が一の事態に備えて、火災保険に加入するのが一般的です。気になるのは火災保険の保険料ですが、「火災保険の保険料の相場はどのくらい?」「火災保険の保険料はどのようにして決まるのだろう」という疑問を持つ人も多いでしょう。

ここでは、火災保険の保険料の相場や、保険料が決まる要素の他、保険料を抑えるためのポイントについても解説します。

火災保険の相場

火災保険とは、火災等の被害によって生じた建物や家財の損害を補償する保険です。「火災保険」という名称ですが、一般的には火災だけではなく落雷や風水害等の自然災害をはじめ、盗難、水ぬれ等によって被った損害も補償されます。ただし、補償される範囲は保険会社や保険商品によって異なるため、確認が必要です。

火災保険の保険料は、補償内容や補償範囲、建物の所在地、建物の構造等のさまざまな要素によって決定されます。そのため、一概に「火災保険の保険料の相場はいくら」ということはできません。まずは、火災保険の保険料がどのような要素によって決まるのかを理解することが大切です。

火災保険の保険料に影響する要素

火災保険の保険料は、補償内容や補償範囲、建物の所在地、建物の構造等のさまざまな要素によって変わります。保険料に影響する主な7つの要素について説明します。

保険の対象

保険料に影響する要素として、火災保険の対象が「建物」なのか「家財」なのかということがあります。このうち、どちらか一方に保険をかけることもできますし、両方にかけることも可能です。

持ち家の場合は、火災保険の対象を「建物のみ」「建物+家財」の2パターンから選びます。一方、賃貸物件の場合は、建物については所有者である家主が火災保険に加入し、入居者は「家財のみ」とすることが一般的です。

火災保険は、「建物」と「家財」の対象ごとに保険金額が設定され、保険金額が大きくなるほど保険料は高くなります。この保険金額を設定する基準になるのが、建物や家財の評価額です。

建物・家財の評価額を算出するには、「新価(再調達価額)」と「時価」という2つの方法があります。新価とは、対象となる建物や家財と同じものを新たに建築、または再購入するのに必要な金額のことです。現在は、この新価によって保険金額を設定することが一般的です。

一方で、時価とは、新価から経年劣化によって減少した価値を差し引いた金額で、建物や家財の現在の価値を指します。古い火災保険では、時価での契約になっているものも少なくありません。保険金額を時価で設定した場合、保険料は安くなりますが、保険金だけでは同等の建物や家財を建築または購入できなくなる可能性がありますのでご注意ください。

所在地

対象となる建物の所在地も、保険料に影響を及ぼす要素のひとつです。地域によって災害の発生リスクが異なるため、一般的には、災害の発生リスクが高い地域ほど、火災保険の保険料は高くなります。

例えば、台風や大雪等の自然災害が起こりやすい地域は、保険料が高くなる傾向があります。

建物の構造

鉄筋コンクリート造や木造といった建物の構造は、燃えやすさや壊れやすさに大きく影響する要素です。建物の構造によって住宅物件は「M構造」「T構造」「H構造」の3つの構造級別に区分されます。M構造、T構造、H構造の順に、火災等の災害に強い構造であり、強い構造のほうが保険料は安くなります。具体的な分類は下記のとおりです。

■住宅物件の建物の構造級別と保険料イメージ

※木造建物であっても、建築基準法に定める耐火建築物・準耐火建築物、または省令準耐火建物に該当するものはT構造となります。

築年数

築年数が古い住宅ほど経年劣化により災害時の被害が大きくなる傾向があるため、保険料は高くなります。保険会社によって、築年数に応じて保険料を設定しているケースや、築年数の浅い住宅はそのぶん保険料が割引になるケースもあります。

補償内容

補償内容が手厚くなれば、そのぶん保険料は高くなります。多くの火災保険では、基本の補償に加えて、水害や盗難による損害等に対する補償内容を契約者自身がカスタマイズできます。

また、地震や噴火、またはこれらによる津波による損害は火災保険では補償されないため、別途、地震保険への加入を検討する必要があります。ただし、地震保険だけでは加入できず、必ず火災保険とセットで加入しなければいけません。火災保険に加入する際は、地震保険もあわせて検討しましょう。なお、既に火災保険に加入している場合、契約期間の途中から地震保険に加入することも可能です。

保険期間・支払方法

保険期間・支払方法も、保険料に影響する要素です。火災保険の保険期間は、1年から5年までのあいだで設定できます。また、保険料の支払方法は、月払や年払、一括払から選択可能です。同じ保険でも、長期契約かつ一括払にするほうが、支払う保険料の総額を抑えることができます。一方で、一度に払う保険料の負担は大きくなります。

割引

保険会社独自の割引制度によって、保険料が変わることもあります。例えば、保険会社が指定するセキュリティシステムを導入している住宅に適用される「ホームセキュリティ割引」、オール電化住宅を対象にした「オール電化割引」、専用ウェブサイトから申込み手続きをした場合に適用される「ウェブ申込み割引」等が挙げられます。

保険料を抑えるポイント

ここまで解説してきた保険料に影響する要素のうち、建物・家財の評価額や所在地、構造、築年数は変えることができません。しかし、補償内容や保険期間・支払方法、各種割引を見直すことで、保険料を抑えることが可能です。

では、保険料を抑えるためのポイントを、具体的に見ていきましょう。

必要な補償を選ぶ

保険料を抑えるためには、必要な補償内容を選ぶことが大切です。火災保険には、いくつかの補償がセットになったパッケージ型と、補償内容を契約者自身で選べるカスタマイズ型があります。カスタマイズ型は自分で補償内容を検討する手間がかかりますが、必要な補償だけを選べるため、パッケージ型に比べて保険料を抑えられる可能性が高いでしょう。

例えば、賃貸物件を契約する際に、不動産会社経由で加入する火災保険は、パッケージ型であることが多い傾向にあります。そのような場合、カスタマイズ型に変更することで保険料を抑えられる可能性もあります。特に家財を対象にした火災保険では、保険金額と補償内容が自分に合っているか確認するとよいでしょう。

保険期間・支払方法、割引を確認する

保険料は、1年契約より長期契約のほうが、また月払や年払よりも一括払のほうが割安になります。割引条件や割引率は保険会社によっても異なるため、契約内容をしっかりと確認をしましょう。

また、保険会社によっては各種割引制度を設けています。複数の保険会社を比較して、適用できる割引があるかどうか確認をしてみてください。

免責金額(自己負担額)を上げる

免責金額とは、契約者の自己負担金として設定される金額で、免責金額が高いほど保険料は安くなります。損害が発生した時に支払われる保険金は、損害の額から、契約時に設定した免責金額を差し引いた額になります。損害額が免責金額を下回った場合、保険金は支払われません。保険料と保険金額、自己負担額のバランスを考え、適切な免責金額を設定するとよいでしょう。

複数の保険会社で見積もりをとる

火災保険の保険料は保険会社によって違いがあるため、複数の保険会社から見積もりをとって比較検討することも大切です。同じ補償内容でも、保険料はすべて同じとは限りません。不動産会社や銀行等から保険会社を紹介された場合も、そのまま加入するのではなく、他の保険会社からも見積もりをとることをおすすめします。

自分に合った火災保険を検討しよう

火災保険の保険料を抑えるには、自分に合った火災保険に加入することが大切です。保険料や補償内容、割引制度等は、保険会社によって異なります。そのため、複数の保険を比較検討することが、保険料を抑えるためのポイントのひとつです。

「自分に合った保険がわからない」「保険会社の比較検討が大変」という場合は、専門家に相談するのがおすすめです。「ほけんの窓口」では、保険のプランに関するご相談やお見積もり等、無料でご利用いただけます。希望の補償内容をカバーしつつ保険料を抑えたいという場合は、ぜひ一度ご相談ください。

(2024年8月承認)  B24-101510

監修者プロフィール

原 絢子
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

自分で保険の見直しを行ったのをきっかけに、お金の知識を身につけることの大切さを実感し、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。一人でも多くの人がお金を味方につけて、自分の思い描く人生を歩んでほしいと、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。FPサテライト株式会社所属FP。

原 絢子さん
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