海外留学保険とは?選び方のポイントや必要性を解説
海外への留学を検討する際、留学先での病気やケガの治療費が心配になる人も多いのではないでしょうか。海外留学保険は、そのような病気やケガの治療費や、手荷物の盗難・破損等に備えることができる保険です。
ここでは、海外留学保険と海外旅行保険の関係や、海外留学保険を選ぶ際のポイント等について解説します。
海外留学保険は海外留学中の病気やケガ等に備える保険
海外留学保険は、海外留学中の病気やケガ等に備えるための保険です。一般的に、留学中の病気やケガに加え、手荷物の盗難・破損等にも備えることが可能で、保険商品によっては、損害賠償責任や航空機遅延等まで補償される保険商品もあります。
海外留学保険の保険期間は自宅を出発する日から帰宅する日までを設定するのが原則で、多くの場合、留学期間の一部のみに保険をかけることはできません。最長期間は保険会社によって異なりますが、一般的に最大で1年から2年とされています。
海外留学保険は海外旅行保険の一種
留学のための保険は一般的に海外留学保険と呼ばれますが、実際には海外旅行保険の一種です。海外留学保険は、海外旅行保険を長期滞在に適した補償内容とした保険で、3か月を超える保険期間を設定できます。
さらに、海外留学保険はセットできる特約が充実している点も特徴です。病気やケガ、手荷物の損害への補償等の基本的な補償内容に加え、特約をセットすることで補償を広げることができます。例えば、特約では、歯科治療や親族の不幸等での緊急一時帰国費用、事故による個人賠償責任、滞在先のアパートでの水ぬれ・火災による家主への個人賠償責任、家財の盗難等に備えることが可能です。
海外留学保険を選ぶ際のポイント
海外留学保険の保険期間や補償内容は、保険商品によって違いがあるので、自身のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。ここでは、海外留学保険を選ぶ際のポイントについて解説します。
必要となる治療費や救援者費用等の補償内容を検討する
海外留学保険を選ぶ際、まずは必要となる治療費や救援者費用等の補償内容を検討しましょう。留学する国の医療制度や医療体制、一般的な医療費等から、病気やケガ等で医療を受ける必要があれば、どれくらいの費用がかかりそうなのかを考え、必要となる補償内容を検討します。
日本では公的医療保険制度により、治療費の最大3割の自己負担で治療を受けられますが、海外留学中の治療費は全額自己負担です。さらに、長期入院等で家族等が現地に来る必要が生じれば、その交通費や宿泊料といった救援者費用もかかります。海外留学保険は、保険商品によって治療費・救援者費用の上限が異なり、無制限、5,000万円、3,000万円等から選択できるので、自身のニーズに合ったものを選びましょう。
なお、アメリカやカナダ、イギリスといった日本で人気の留学先で病気やケガの治療を受けると、費用は数百万円となる可能性もあります。リスクに手厚く備えたいなら、治療費・救援者費用の上限が無制限の保険商品を選んでおくと安心です。
留学期間と保険期間、更新時の手続きを確認する
留学期間と保険期間、更新時の手続きを確認することも、海外留学保険を選ぶ際のポイントのひとつです。ほとんどの海外留学保険の保険期間は、最長で1年から2年程度で、それを超える場合は更新が必要となります。更新手続きの方法は保険会社によって異なり、インターネットで手続きが完了する保険会社もあれば、満期前に本人または代理人が日本国内で手続きをしなければいけない保険会社もあるため、事前の確認が重要です。
国内での手続きが必要な保険会社だと、留学が長引いて更新が必要になった場合、手続きのために一時帰国が必要になる等、負担が大きくなる可能性があります。1年の滞在を想定していたとしても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時のように、思わぬ事態で変更を余儀なくされることもあるので、滞在が延びた場合まで想定して選択するとよいでしょう。
留学先から補償内容の指定があるか確認する
留学先から補償内容の指定があるかを確認し、対応できる海外留学保険を選ぶことも必要です。長期留学の場合、留学先の学校から補償内容を指定される場合があります。また、国によってはビザ取得の際に補償内容が指定されることもあり、その場合は、これらの指定に適応できる海外留学保険を選ぶ必要があるので、確認した上で、海外留学保険を選びましょう。
特約を確認する
セットできる特約を確認することも、海外留学保険を選ぶ際のポイントです。一般的に海外留学保険の本契約では、病気やケガの治療費、手荷物の盗難・破損等に備えることが可能です。このような補償内容に加え、特約をセットすることで、歯科治療や親族の不幸等での緊急一時帰国費用、事故等で相手にケガをさせた場合の個人賠償責任、滞在先のアパートでの水ぬれ・火災による家主への個人賠償責任、家財の盗難等に対しても備えられます。
さまざまな特約のなかでも特に検討が必要なのは、賠償責任に備える個人賠償責任特約です。留学中も、自転車等の運転中の事故で相手にケガをさせてしまったり、滞在先のアパートで水ぬれや火災を起こし家主への個人賠償責任が生じてしまったりするかもしれません。賠償責任を負うリスクに備え、個人賠償責任特約のセットを検討しましょう。
キャッシュレス対応の病院があるか確認する
海外留学保険を選ぶ際には、留学先にキャッシュレス対応の病院があるかどうかも確認しましょう。海外の病院で治療を受ける際、その治療費を一度自身で支払い、後から保険会社に請求することが一般的ですが、保険会社のなかには、留学先の病院と提携し、治療費を保険会社から直接支払うキャッシュレスに対応している場合もあります。
この場合、病気やケガの治療を受ける際には、保険会社の提携している病院で海外留学保険の加入証明書を提示すれば、キャッシュレスで治療を受けることが可能です。治療を受ける病院がキャッシュレスに対応していない場合、一度自身で治療費の全額を負担した上で、保険会社に請求して支払いを受けることになり、大きな負担となってしまいます。そのため、保険会社と提携し、キャッシュレスに対応している病院が留学先にあるか、事前の確認が必要となります。
ポイントを確認し自分に合った海外留学保険を選択しよう
海外留学保険は、留学中の病気やケガ、手荷物の盗難・破損等に備えることができ、医療費が高額となる海外への留学に欠かせない保険商品です。特約を付けることで、歯科治療や親族に不幸があった際の一時帰国費用、事故等で相手にケガをさせた場合の個人賠償責任、滞在先のアパートでの水ぬれ・火災による家主への個人賠償責任、家財の盗難等にも備えられます。海外留学保険は、保険会社によってセットできる特約やキャッシュレス対応等に違いがあるため、留学先の状況を考えた上で、自分に合った保険商品を選ぶことが重要です。
「ほけんの窓口」では、保険のプランに関する質問や見積もり等が、何度でも無料で相談できます。自分に合った、海外留学保険を検討したい場合は、ぜひ「ほけんの窓口」へご相談ください。
- ※特約の名称や補償内容は保険会社ごとに異なります。
- ※当ページでは海外旅行保険に関する一般的な内容を記載しています。個別の保険商品等の詳細については保険会社および取扱代理店までお問い合わせください。
(2024年2月承認)B23-104036
監修者プロフィール
黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。FPサテライト株式会社所属FP。