保険ってそもそも必要なの?
日本では、原則国民全員が公的保険制度に強制加入です。日本の公的な保険制度は比較的充実しており、例えば医療費での自己負担分の軽減・遺族年金の支給などがあります。そのため「民間の保険はそもそも必要なの?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし民間の保険には公的な保険とは違う機能があり、公的保険ではカバーしきれない領域の保障を用意しているものがあります。公的保険に加え民間の保険を上手く利用することで、ライフステージごとのさまざまな経済的リスクに備えることができるでしょう。
公的保険
日本には、民間の保険会社が運営している民間の保険と、国などが運営している公的保険があります。公的医療保険では、病気にかかったりケガをしたときに、基本的に医療機関での医療費は1~3割負担となります。また、高額療養費制度を利用すれば、通院や入院などで医療費が高額になってしまった場合でも、国が一定水準のカバーをしてくれます。(2015年5月現在)そのため、公的な保険制度を利用できる限り、医療費の一部は国などが保障してくれるのです。
また、加入者が死亡した際、遺族に支払われる遺族年金制度もあります。国民年金・厚生年金からは、配偶者と子どもには国などから給付金が一定期間毎月支払われます。(所定の支払い要件があります)
民間の保険は必要?
上記のように、日本の公的保険制度では、経済的リスクをある程度カバーします。例えば、病気で入院や手術が必要になった場合、自己負担額は0歳から義務教育就学前では2割、義務教育就学後から70歳未満で3割、70歳以上75歳未満で2割(平成26年4月以降から新たに70歳になる方から段階的に2割負担となっております。また、現役並みの所得者は3割負担となります。)、75歳以上は1割(現役並の所得者は3割負担)となっています。このように、病気やケガで入院や手術が必要になった場合、公的な保険によって保障を受けることができます。しかし、脳卒中などの大病で入院が長期に及ぶ、または、がん治療などの先進医療が必要になった場合、自己負担額が膨らんでしまうことがあります。この経済的リスクを軽減するためにあるのが、民間の保険なのです。
医療保険
公的な保険制度がサポートしてくれたとしても、病気やケガで入院や手術の場合、公的保険ではカバーされない自己負担分が大きくなることがあります。そんな時に、民間の医療保険に加入していれば、自己負担分を軽くすることができるのです。
死亡保険
ご自分が死亡した場合に「配偶者や子どもにまとまったお金を残したい」という場合は、死亡保険に加入していると安心です。
特に結婚して子どもがいらっしゃる場合、これからかかる生活費や学費のことを考えると、公的な保障での不足分を補うことが必要です。また、家庭を持った人だけでなく、独身の場合でも両親へお金を残したりご自分の葬儀費用の準備として検討することも有効かもしれません。
まとめ
一定水準の医療費や死後の遺族年金などは、公的な保険で賄われます。しかし公的な保険はすべてをカバーするものではありません。その自己負担分の一部を補うために生まれたのが、民間の保険です。
病気やケガで入院・手術を受けて費用がかかる。死亡して遺された家族には経済的な備えが必要となります。どんな保険に加入するべきかは、そのときのライフステージやライフスタイル、これからのライフプランによって異なります。その時々で保険の保障内容を見直し、自分に合った保障内容の商品を選ぶことが重要となりますが、数多い保険商品から自分に合った商品を選ぶことは難しいと思います。保険ショップ等で相談すると良いでしょう。