第三分野(医療保険・がん保険等)の経理処理

第三分野(医療保険・がん保険)の経理処理は、保険料の払込期間によって変わります。

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1-① 全期払い

解約返戻金があるもので、全期払いの場合は、定期保険の経理処理に準じます。

定期保険の経理処理例

1-② 終身タイプの短期払い

1-② 終身タイプの短期払い

契約形態 例

  • 保険種類:医療保険
  • 保険期間:終身
  • 払込方法:年払い
  • 払込期間:5年
  • 契約年齢:40歳
  • 年間保険料:560,000円

保険料払込期間中は、一部を損金算入

借方貸方
1~5年目
支払保険料
36,842円
前払保険料
523,158円
現金・預金
560,000円

保険料払込期間中は、支払保険料のうち「年間保険料×保険料払込期間÷保険期間」で算出した金額を支払保険料として損金算入、残りは前払保険料として資産計上してください。
終身タイプの第三分野保険の保険期間は「116歳-契約年齢」で計算します。
なお、全保険会社の契約を通算した一被保険者あたり年払保険料が30万円以下の場合には、支払保険料を全額損金計上することができます。

【計算過程】
支払保険料:560,000円×5年÷76年(116歳-40歳)=36,842円

保険料払込期間終了後116歳までの間は、その年の1年分のみを損金算入

借方貸方
6年目以降
支払保険料
36,842円
前払保険料
36,842円

払込期間終了後は、116歳になるまで、毎年上記で計算した金額を支払保険料として損金算入するとともに、前払保険料を取り崩してください。

2.給付金受取時の経理処理

給付金受取 例

  • 入院給付金と手術給付金:300,000円
借方貸方
現金・預金
300,000円
雑収入
300,000円

入院給付金や手術給付金等の給付金受取時は、受け取った給付金の額を雑収入として益金算入してください。

3.退職時名義変更時の経理処理

資産計上されていたもの

退職時名義変更 例

  • 解約返戻金:100,000円
  • 前払保険料累計:2,600,000円
  • 退職金(現金):20,000,000円
  • 源泉徴収税額:0円
借方貸方
退職金
20,100,000円
雑損失
2,500,000円
前払保険料
2,600,000円
現金・預金
20,000,000円
預り金
0円

退職時に契約者が法人、被保険者が役員の医療保険の契約者を役員個人に変更した場合、解約返戻金と現金支給額の合計額を退職金として損金算入してください。
資産計上をしていたものであれば、前払保険料を取り崩してください。
退職所得に係る源泉徴収税額があれば、預り金として負債計上し、差額は雑収入または雑損失として益金または損金算入してください。

資産計上されていないもの

退職時名義変更 例

  • 解約返戻金:100,000円
  • 前払保険料累計:0円
  • 退職金(現金):20,000,000円
  • 源泉徴収税額:0円
借方貸方
退職金
20,100,000円
現金・預金
20,000,000円
預り金
0円
雑収入
100,000円

退職時に契約者が法人、被保険者が役員の医療保険の契約者を役員個人に変更した場合、解約返戻金と現金支給額の合計額を退職金として損金算入してください。
全額損金で処理していたものであれば、退職所得に係る源泉徴収税額があれば、預り金として負債計上し、差額は雑収入として益金算入してください。

監修:朝日税理士法人
更新日:2022年3月8日

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